トルマリンは「すべての色を持つ宝石」と言われるほど色のバリエーションが豊富な宝石です。
非常に多彩な色合いを持つ宝石であり、その色や特徴によってさまざまな名前で市場に出回っています。
この記事では、コマーシャルネーム・商業名も含め、実際に宝石業界やジュエリーショップなどで使用されている、宝石質のトルマリンの色の名前をまとめています。
新たに見かけた色や名前は、随時追加していきます。
※この記事はプロモーションを含みます。
ブルー・青色系
パライバトルマリン(Paraíba Tourmaline)〜最も価値があり人気がある〜
パライバ・トルマリンは、ネオンブルーやエレクトリックグリーンといった鮮烈な色味が特徴の、銅(Cu)を含む特殊なトルマリンです。1980年代にブラジルのパライバ州で発見されたことからこの名が付きました。現在ではモザンビークやナイジェリアでも同様の性質を持つ石が産出されていますが、「パライバ」と呼ばれるには銅の含有が必要とされ、非常に高価で取引されます。

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インディゴライト(Indigolite)
インディゴライトは、青系または青緑系のトルマリンを指す名前です。その名の通り、藍色(インディゴブルー)を思わせる深く落ち着いたブルーが特徴です。インディコライト(Indicolite)と表記する場合もあります。
青系のトルマリンは希少性が高く、特に鮮やかな色合いを持つものは高値で取引されます。
ブルートルマリン(Blue Tourmaline)
ブルートルマリンは、澄んだ空や海を思わせる清らかな青色が特徴のトルマリンです。
その色合いは、淡いスカイブルーから深く落ち着いたネイビーブルーまで幅広く存在し、結晶の透明度や光の当たり方によって印象が変化します。
透明度の高いブルートルマリンは、光を受けるたびに静かな輝きを放ち、奥行きのある色彩を見せます。
ジュエリーとしては、知的で洗練された印象を与えるカラーであり、フォーマルにもカジュアルにも調和する万能なトーンです。
ラグーントルマリン(Lagoon Tourmaline)
「ラグーン」とは、海とつながる静かな入り江を意味します。
その名の通り、ラグーントルマリンはブルーとグリーンが調和した穏やかな色合いが特徴です。
アクアマリンのような澄んだ青に、トルマリン特有のグリーンのニュアンスが重なり、まるで南国のラグーンの水面を閉じ込めたかのような透明感を放ちます。
光の角度によってブルー寄りにもグリーン寄りにも変化するため、見ていて飽きない奥行きのある色が魅力です。
シーフォームトルマリン(Seafoam Tourmaline)
シーフォーム=「海の泡」という名の通り、淡いブルーグリーンの優しい発色を持つトルマリンです。
ラグーンよりもさらにソフトでミントのようなトーンが特徴で、爽やかで軽やかな印象を与えます。
この色味は希少なカッパートルマリン(パライバトルマリン)にも近く、上品さとナチュラルさを兼ね備えた人気の高いカラーです。
まるで朝の海辺に差し込む光のように繊細で、柔らかな透明感を楽しめます。
ブルーグリーントルマリン(Blue-Green Tourmaline)
ブルーグリーントルマリンは、トルマリンの中でも深みのある青緑色を持つタイプです。
海の底を思わせるような落ち着いたトーンが特徴で、知的でクールな印象を与えます。
見る角度や光源によって青が強く見えたり、緑が際立ったりする多色性を持ち、自然の鉱物ならではの豊かな表情を楽しめます。
ジュエリーとしては男女問わず人気があり、シックでモダンなスタイルにもよく映えるカラーです。

レッド・ピンク・赤色系
ルベライト(Rubellite)
ルベライトは、赤からピンク系の色合いを持つトルマリンの商業名です。ルビーのような濃い赤色から、鮮やかなラズベリーピンクまで幅広く、宝石として非常に人気があります。高品質なルベライトは深い赤色と高い透明度を兼ね備え、他の赤い宝石に劣らない存在感を放ちます。
ピンクトルマリン(Pink Tourmaline)
ピンクトルマリンは、愛や優しさを象徴する、柔らかく女性的な色合いが魅力のトルマリンです。
淡い桜色から、深みのあるローズピンクまで多彩なバリエーションがあり、肌なじみが良く、上品で温かみのある輝きを放ちます。
色の濃淡や透明度によって印象が大きく変わり、淡いピンクは可憐で繊細な印象を、濃いピンクは華やかで情熱的な印象を与えます。
パープルピンクトルマリン(Purple Pink Tourmaline)
パープルピンクトルマリンは、ピンクとパープルの中間に位置する、優雅でロマンティックな色合いを持つトルマリンです。
見る角度や光の種類によって、やや紫が強く見えたり、ローズピンクのように華やかに輝いたりと、豊かな表情を見せます。
この色は、結晶中の成分バランスによって紫味や赤味の強さが微妙に変化します。
ピンクトルマリンの可憐さと、パープルトルマリンの気品を兼ね備えた色味は、女性らしさと知的な魅力を同時に引き立てるジュエリーとして人気があります。
オレンジ・ブラウン・茶色系
オレンジトルマリン(Orange Tourmaline)
オレンジトルマリンは、夕陽のように温かく、生命力を感じさせる色合いを持つトルマリンです。
淡いアプリコットから深いタンジェリンオレンジまで、豊かなトーンの幅があります。
なかでも、透明度の高いオレンジトルマリンはまるで溶けた太陽の雫のように輝き、ジュエリーとして非常に華やかな印象を与えます。
ピンクやブラウンの要素をわずかに含む個体もあり、トルマリンらしい微妙な色変化が楽しめるのも魅力です。
ゴールデントルマリン(Golden Tourmaline)
ゴールデントルマリンは、深みのあるゴールドカラーと温かみのある輝きが特徴のトルマリンです。
オレンジトルマリンよりもやや落ち着いた色味で、まるで秋の陽光を閉じ込めたかのような上品な輝きを放ち。透明度の高い結晶ほど光を取り込み、柔らかく温かい光を反射します。
ジュエリーに加工すると、クラシックな装いにもモダンな装いにも調和し、大人の華やかさと落ち着きを同時に演出できます。
ドラバイトトルマリン(Dravite Tourmaline)
ドラバイトトルマリンは、温かみのあるブラウン〜ハニーゴールドの色合いを持つトルマリンです。
その名は、オーストリアとスロベニアの国境近くにある「ドラーヴァ川(Drava River)」に由来します。
落ち着いた色を呈し、他のトルマリンとは異なる柔らかく深い光を放ちます。暗めのブラウンでありながら透明度が高く、琥珀や蜂蜜を思わせる輝きが魅力です。
ジュエリーとしては上品でナチュラルな印象を与え、アースカラーを好む人々に人気があります。
ブラウントルマリンと呼ばれることもあります。
シナモントルマリン(Cinnamon Tourmaline)
シナモントルマリンは、スパイスのシナモンを思わせる柔らかく温かいブラウンが特徴のトルマリンです。
ブラウントルマリンよりも明るく、赤みを帯びたブラウンが上品な雰囲気を演出します。
光を受けると、淡い黄金色の輝きが重なり合い、まるで温かな木漏れ日のような柔らかさを感じさせます。
この色味は、結晶によって濃淡やニュアンスが異なるのも魅力です。ジュエリーにすると、ナチュラルで温かみのあるアクセントとなります。
イエロー・黄色系
イエロートルマリン(Yellow Tourmaline)
イエロートルマリンは、太陽の光をそのまま閉じ込めたような明るい輝きを持つトルマリンです。
その色合いは、淡いレモンイエローから、ゴールデンハニーのような深い黄色までさまざま。透明度が高いものほど瑞々しい印象を与えます。
黄系の宝石の中でも、トルマリン特有の内側から放つような光のきらめきがあり、見る角度によってトーンが変化するのも魅力です。
カナリー・トルマリン(Canary Tourmaline)
カナリアの羽のように明るい黄色をしたトルマリンを「カナリー・トルマリン」と呼びます。黄色のトルマリンは非常に希少で、市場に出ることは多くありませんが、透明度と彩度の高いものは高額で取引されることもあります。
カナリートルマリンは、鮮やかなカナリアイエローの輝きが特徴の非常に希少なトルマリンです。通常のイエロートルマリンよりも強く純度の高い黄色を示します。
その名の通り、南国の小鳥・カナリアを思わせる明るく澄んだ黄色が魅力で、見る人の心を一瞬で明るく照らします。
産出量が限られており、特にマラウイ産のカナリートルマリンは世界的にも評価が高い稀少石で、その輝きはまるで太陽のかけらのようです。
シャンパンカラートルマリン(Champagne Tourmaline)
シャンパンカラートルマリンは、淡いゴールドブラウンに微かな透明感を伴う上品なトーンが特徴のトルマリンです。
名前の通り、シャンパンの泡のように柔らかく輝く色味は、光の加減によって淡いイエローやゴールドのニュアンスを帯び、優雅な印象を与えます。
透明度の高い結晶ほど光を取り込み、内側から光を放つような美しさを見せます。
ジュエリーとして加工すると、控えめでありながら洗練された華やかさを演出し、他の宝石や素材との相性も抜群です。
グリーン・緑系
グリーントルマリン(Green Tourmaline)
グリーントルマリンは、自然の生命力を感じさせる豊かな緑色が特徴のトルマリンです。
その色調は、深い森を思わせる濃いグリーンから、若葉のように明るく柔らかなトーンまで幅広く存在し、石によってはエメラルドのような鮮やかな緑色を見せることもあります。
ジュエリーとしては、落ち着きと知性を感じさせる色味が魅力で、自然との調和や心のバランスを象徴する石としても知られています。

クロム・トルマリン(Chrome Tourmaline)
クロムやバナジウムを含むことで、エメラルドにも似た鮮やかな緑色を発するのがクロム・トルマリンです。通常の緑色トルマリンと比べ、より鮮烈で深い色合いを持つため、宝石愛好家の間では根強い人気を誇ります。

フォレストグリーントルマリン(Forest Green Tourmaline)
フォレストグリーントルマリンは、深い森の静けさを思わせる濃く落ち着いた緑色が特徴のトルマリンです。
自然の中で息づく生命力を象徴するような色合いで、石によっては黒に近いほど深いグリーンを呈することもあります。
光にかざすと、内部からしっとりとした輝きが立ち上がり、まるで木漏れ日の中で森の葉が光を受ける瞬間のような美しさを見せます。
ジュエリーとしては、シックで知的な印象を持ちながらも、自然の温もりを感じさせる色味が魅力で、男女を問わず人気の高いトルマリンのひとつです。
ヴェルデライト・ベルデライト(Verdelite)
緑色のトルマリンの中でも、通常の緑系トルマリンを「ヴェルデライト」と呼ぶことがあります。クロム・トルマリンよりも優しい緑色で、落ち着いた印象を持つのが特徴です。
似た名前の鉱物で「ヘルデライト(Herderite)」がありますが、あちらはトルマリンではありません。
シーグリーントルマリン(Sea Green Tourmaline)
シーグリーントルマリンは、澄みきった海のように爽やかな青緑色を持つトルマリンです。
その色合いは、浅瀬に差し込む陽光や南国の海を思わせるような透明感と清涼感が魅力。
ブルーとグリーンの中間に位置するこの色は、わずかな成分バランスの違いでターコイズ寄りの明るい緑や、ミントブルーのような淡い色合いに変化します。また、光の角度によって微妙に色を変えることもあります。
ジュエリーとしては、清楚でありながら印象的な輝きを放つ石として人気を集めています。
ミントトルマリン(Mint Tourmaline / Mint Green Tourmaline)
ミントトルマリン・ミントグリーントルマリンは、名のとおりミントの葉を思わせる爽やかで軽やかなグリーンが特徴のトルマリンです。
ブルーとグリーンの中間に位置し、わずかに青みを帯びた明るい緑色が見る人の心を清めるような印象を与えます。
ジュエリーとしてはナチュラルでありながら洗練された印象を与え、透明度の高い結晶では、光が差し込むたびに繊細な煌めきを放ちます。
中でも、パライバトルマリンに似た淡いブルーグリーンの個体は、コレクターからも高く評価されています。
パープル・紫系
パープルトルマリン(Purple Tourmaline)
パープルトルマリンは、深みのある紫色から淡いライラック色まで、多彩なトーンを持つトルマリンです。
この色味は、光の当たり方によっては赤みを帯びた紫や青みがかった紫にも見えるのが特徴です。
深いパープルは落ち着きと気品を感じさせ、淡いトーンは柔らかく優雅な印象を与えます。
ジュエリーにすると、個性的でありながら上品さを失わず、洗練された色のアクセントとして幅広く活用できます。
シベライト(Siberite)
紫〜赤紫系のパープルトルマリンをシベライトと表すことがあります。ライラックカラーやワインレッドに近い色合いが特徴で、やや幻想的で上品な雰囲気を持っています。名前の由来については諸説ありますが、宝石市場では明るめの紫系トルマリンに使われることが多いです。
クリア・透明・無彩色系
アクロアイト(Achroite)
アクロアイトは、無色またはほぼ無色のカラーレストルマリンを指す名称です。
トルマリンの中では非常に稀少で、市場に出回ることは少ないですが、その清楚で透明感のある美しさは、コレクターや一部のジュエリーデザイナーから高く評価されています。
多色・2色・3色など
バイカラー/トリカラー・トルマリン(Bi-color / Tri-color Tourmaline)
1つの結晶内に2色または3色の色が共存しているトルマリンは、「バイカラー」または「トリカラー・トルマリン」として販売されます。ウォーターメロンとは異なり、グラデーションや縞模様のように色が変化していくタイプも多く、カットによって色の見せ方が大きく変わるのが魅力です。
パーティーカラートルマリン(Parti-Color Tourmaline)
パーティーカラートルマリンは、その名の通り1つの結晶の中に複数の色が共存するトルマリンです。
ピンクとグリーン、ブルーとイエローなど、自然が生み出したグラデーションが特徴で、まるで絵画のような色の移ろいを楽しめます。
中でも人気が高いのは、ピンクとグリーンが共存する「ウォーターメロン・トルマリン(スイカトルマリン)」で、その愛らしいコントラストは唯一無二。
パーティーカラートルマリンは、“世界にひとつだけの色彩”を持つ宝石として、コレクターからも高く評価されています。
ウォーターメロン・トルマリン(Watermelon Tourmaline)
ウォーターメロン・トルマリンは、名前の通りスイカのような見た目をしたトルマリンで、中心がピンク、外側が緑といった色のコントラストが特徴です。このユニークな色の組み合わせは、結晶の成長過程で化学成分が変化することによって生まれます。スライスカットでリングやペンダントに加工されることが多く、個性的なジュエリーを求める人に人気です。
キュプリアン・エルバイト(Cuprian Elbaite)
キュプリアン・エルバイトは、銅を含むことで発色するエルバイト系トルマリンの一種です。
「キュプリアン」とは“銅を含む”という意味で、銅の含有量や共存するマンガンの割合によって、色味はブルー系だけでなくグリーン、ブルーグリーン、ターコイズ、ピンク、バイカラーなど多彩に変化します。
最もよく知られているのは、ブラジル・パライバ州で産出したネオンブルーの個体(いわゆるパライバトルマリン)ですが、
アフリカ産のキュプリアン・エルバイトでは、ミントグリーンやアクアブルー、さらにはライラックピンクに近い色合いのものも見られます。
これらの石は、銅による独特の光の散乱効果で内側から発光しているような輝きを持ち、通常のトルマリンとは明確に区別される強い彩度と透明感を誇ります。特に、光の角度によって色味が微妙に変化する個体は、トルマリン愛好家の間でも高い評価を受けています。
リディコータイト・リディコタイトトルマリン(Liddicoatite Tourmaline)
リディコタイトトルマリンは、トルマリンの中でも特に複雑で美しい色の分布を持つことで知られる希少種です。
カルシウムを多く含むトルマリンの一種で、結晶を輪切りにすると幾重にも重なる同心円状のカラーパターンが現れます。
ピンク、グリーン、ブラウン、イエローなどが層をなすその姿は、まるで宝石の年輪のよう。
カラーバリエーションの豊かさと、自然が作り出す幾何学的な模様の美しさから、コレクターズストーンとしても非常に人気があります。
その名は、GIA(米国宝石学会)の創設者であり、宝石学の発展に大きく貢献したロバート・リディコート氏(Robert M. Liddicoat)にちなんで名付けられました。
参照:リディコータイト:鮮やかな宝石が賛美する現代の宝石学の父
キャッツアイなど特殊系
キャッツアイ・トルマリン(Cat’s Eye Tourmaline)
シャトヤンシー効果(猫の目のような光の帯)を持つトルマリンは、「キャッツアイ・トルマリン」と呼ばれます。この効果は内部の繊維状内包物が光を反射することで生まれ、特にカボションカットでその美しさが際立ちます。緑、ピンク、黒など様々な色のキャッツアイ・トルマリンが存在します。

カラーチェンジ・トルマリン(Color-Change Tourmaline)
非常に稀ですが、光源(白熱灯・蛍光灯など)によって色が変化する「カラーチェンジ・トルマリン」も存在します。例えば、日光下では緑色、人工光では赤みを帯びるなど、アレキサンドライトのような特徴を持つため、希少価値が高いとされています。

トラピッチェ(トラピチェ)トルマリン(Trapiche Tourmaline)
内包物や結晶構造により、中心から放射状に模様が広がる「トラピチェ構造」を示すトルマリンも稀に存在します。一般的にはエメラルドやルビーで有名なパターンですが、トルマリンでもごくまれに見られ、独特の美しさから一部で人気があります。
ちなみにトラピッチェ構造はこのような模様です(こちらはエメラルド)
まとめ
色のバリエーションが豊富で、その色によって名称が異なるのが大きな特徴のトルマリン。
色の違いだけでなく、光の効果や結晶の成長過程による模様など、見た目の面白さや個性もトルマリンの大きな魅力です。
ジュエリーを選ぶ際には、こうした名称と色の関係を知っておくことで、より理想に近い宝石を見つけやすくなるでしょう。
憧れの宝石と言えばピンクダイヤモンドも魅力的です。